チャットモンチー 2017年4月16日 盛岡Club Change WAVE

チャットモンチー
2017年4月16日
盛岡Club Change WAVE
「チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017」

 4月16日はメンバーの福岡晃子さんの誕生日のため、入場時にクラッカーが配られ、ライブ中に橋本さんの合図でクラッカーを鳴らしてください、との説明があった。

 定刻になると客電が落ち、今ツアー共通のSEが流れ始める。前日の青森公演でも言及されていたが、このSEは橋本さんが作成したとのこと。SEが終盤にさしかかると、チャットモンチーの2人がステージへ。

 今回のツアーでは、ステージ中央に2台のシンセサイザーが向かい合うように設置されている。オーディエンス側から見て、右側のシンセに橋本さん、左側のシンセに福岡さんが座る。シンセサイザー以外のアンプやドラムなども、2人を囲むように所狭しとセッティングされている。

 打ち込みによる均質なドラムのビートが流れ始め、2人がシンセサイザーでコードと旋律を弾いていく。1曲目は「レディナビゲーション」。シンセのフレーズは、確かにレディナビゲーションのイントロのギターをなぞってはいるが、音質が全く異なるため、別の曲のようだ。全体のリズム感、サウンドも、ギターを前面に押し出したロックではなく、テクノに近い。それでいて、2人の弾くシンセサイザーからは、生演奏によるグルーヴも感じられ、人力テクノといった感じのアレンジだ。

 1曲目が終わると、橋本さんは「皆さんこんばんは、チャットモンチーです! 盛岡に来たのは2、3年ぶりです。前はサポートメンバーを入れて6人で来たんですけど、今日はパソコンと2人で来ました!」、福岡さんは「パソコンと2人で、メカットモンチーです。今日はこんな感じで、見たことない感じになると思いますけど、ここまで情報がないのにチケットを買ってくれた人は、のれるはず!」と挨拶。

 2曲目「隣の女」、3曲目「恋の煙」と、2人のシンセサイザーと打ち込みによるメカットモンチー体制でのライブが続く。いずれも、今までのチャットモンチーのようなギター・オリエンテッドなサウンドとアレンジではなく、シンセの電子音とテクノ的なビートが目立つ演奏。

 「恋の煙」の後には、ここまでの3曲とは少し変わった、軽やかなリズムが流れ始める。そのリズムをバックに、2人が話を始める。

福岡「皆さん、すごいですね! 3曲でだいぶ雰囲気つかんできてくれて、ありがとうございます。今から、誕生日の曲をやるんですけど、今日誕生日の人いますか?」
(オーディエンスから手が上がらず)
福岡「えっ? もしかして私だけ!?」(4月16日は福岡さんの誕生日)
(オーディエンスから拍手と大歓声)
橋本「ほんとにおらん?」
(オーディエンスの1人が手を上げる)
福岡「おった、おった! 一緒やん! 4月16日生まれは大体友達(笑) じゃあ、今日は私の誕生日なんで特別に、ここ1週間以内が誕生日って人?」
(オーディエンスの数人から手が上がる)
福岡「じゃあ、サビのハッピーなバースデーってところで、ここ1週間が誕生日の人たちに拍手してあげてください! 私は自分で歌うんですけどね(笑)」
橋本「(オーディエンスに向かって)じゃあ、みんなあれ最後ね。」

 4曲目は「バースデーケーキの上を歩いて帰った」。ドラムの打ち込みに2人のシンセサイザーという編成は変わらないが、ここまでの3曲に比べると、シンセの音色がアコーディオンのような温かみのあるもので、全体としてテクノ色は薄く、雰囲気がだいぶ異なる演奏。

 曲の最後の部分になると、橋本さんがオーディエンスに向かって「みんな出してください。行くよ。ワン、ツー、スリー、フォー!」と声をかけ、「フォー!」のタイミングで一斉にクラッカーを鳴らす。

橋本「おめでとう、あっこちゃん!」
(オーディエンスからも「おめでとう!」の声)
橋本「みんな、すごい良かった!」
福岡「火薬の匂いもすごい(笑) ありがとう! えっちゃんが“最後ね”って言ったとき、なに!?って思った(笑) 前にもやられたことがあって、全員が私の顔になるっていう、こわいことやられたので(笑)」
橋本「それも考えたんや。京都でそういうサプライズやって、みんなあっこちゃんの顔になったんですけど、違う人の顔でその二の舞にしようかなと思ったんよ。今あっこちゃん、めっちゃ好きやから『じゃりン子チエ』の顔とか、考えたけど、歌詞が“クラッカーの音”やから、クラッカーにしたよ。」
福岡「ありがとう、やさしい!」
(オーディエンスから大きな拍手)
福岡「どうしよ、ここで抱負とか言うべきなんですかね(笑) えっと、びっくりしすぎて言葉が出てこないんですけど、今年も健康に、30代はほとんど厄年と言われている女性ですけれでも、そんなことを吹き飛ばすぐらい、いい曲をやっていきたいと思います! どうやって、ライブに戻ったらいいかわからない(笑)」
橋本「それとなく、戻るな。」
(シンセサイザーで電話の呼び出し音を鳴らす)
福岡「急な電話(笑) ガチャ! もしもーし?」
橋本「もしもし、あっこちゃん? 今なにしてたの?」
福岡「今ねぇ、盛岡でねぇ、300人に発砲されてました。すごかったよ! ハッピーな発砲だったよ(笑)」
橋本「ハッピーな発砲っていいなぁ。」
福岡「そういう発泡酒、できるかも(笑) えっちゃんは何してるの?」
橋本「岩山でねぇ、動物見てる。」
福岡「岩山ってところに動物園があるの?」
橋本「うん。」
福岡「で、なんの動物見てるの?」
橋本「最近、新しく入ったっていうカピバラ見てる。」
福岡「そうなんや…もしかして暇なの?笑」
橋本「うん、暇してるから、あっこちゃんのとこ行っていい?」
福岡「いいよ、発砲されるけど気をつけて(笑)」
橋本 (シンセサイザーで、スーパーカー的な車のエンジン音を鳴らし、福岡さんの隣へ移動)
福岡「速いにもほどがある(笑) F1やん(笑)」
橋本「めっちゃ速かったやろ。もうちょっとで通り過ぎるところやった。」
福岡「(オーディエンスを橋本さんに紹介しながら) あ、このみなさんが発砲してくれた皆さんです。」
橋本「ありがとうございます。」
福岡「えっちゃん、私の部屋どう? ちょっと発砲の残骸がいっぱいあるけど(笑)」
(ステージ上にも、クラッカーから放出された紙テープなどが随所に残っている)
橋本「色どりがそえられて、めっちゃハッピーな感じになってるやん。」
福岡「しかも、ハッピーな発砲っていう新しいラップも生み出せたところで、ちょっとラップやろか?」
橋本「そうしようか!」

 5曲目は「ぜんぶカン」。この曲では、橋本さんがシンセサイザー、福岡さんがドラムを担当。ドラムが打ち込みから生音に切り替わっただけで、かなり肉体的なサウンドの感じる。橋本さんのシンセは、アルペジエーターのように一音を押すと、フレーズになって音が流れる設定になっているようだ。「ぜんぶカン」演奏後に、橋本さんが福岡さんの隣から、元々の位置に戻り、また長めのMC。

橋本「あー、楽しかった。」
福岡「帰るのも、速いね(笑)」
橋本「あー、今度はあっこちゃん来んかなぁ、私のとこに。今日、誕生にあっこちゃん…」
(福岡さんがシンセサイザーで、パトカーのサイレン音を鳴らす)
福岡「あの300人は、連行されてしまいました。」
(オーディエンス爆笑)
橋本「マジで!? 危険やな、確かに。」
福岡「じゃあ、えっちゃん家、遊びに行くわ。」
(福岡さんがシンセサイザーで、電車の走る音を鳴らし、橋本さんの隣へ移動)
橋本「(オーディエンスに向かって) 岩山公園に南京錠があるって、本当ですか?」
(オーディエンスの1人が「本当」と答える)
橋本「なんか、恋愛成就みたいな…シド・アンド・ナンシーみたいな…」
(オーディエンスから笑い)
福岡「そういうことかな?」
橋本「っていう余談な。」
福岡「ちなみにご利益あるんですか?」
(オーディエンスの1人が「知らん」と答える)
福岡「知らん(笑)」
橋本「ご利益なさそうな感じですね。」
福岡「徳島にもそういうのあるよな、一緒に登ったら絶対に別れる眉山!笑」
橋本「なんなんだろうな、そういうの多いよな!笑」
福岡「そのエピソードいるんかいなって思う。岩山公園はどうなんだろうな?」
橋本「たぶん、他の公園がライバルやから、触れ回してるんよ。」
福岡「えっちゃんの観点(笑) えっちゃん家、意外と和室なんやね。フォークソングでもやる?」
橋本「やろうか、四畳半の。」

 6曲目は「余談」。MCでの発言どおり、ここまでのメカ体制とは打って変わって、アコースティックなアレンジ。橋本さんはアコースティック・ギター、福岡さんはベースを担当し、打ち込みは使用していないようだ。電子音を多用したここまでのライブとのコントラストで、非常にオーガニックなサウンドに感じる。

 7曲目は、福岡さんが橋本さんの隣から、元々のポジションに戻り「CAT WALK」。担当楽器は、橋本さんは引き続きアコースティック・ギター、福岡さんはシンセサイザー。この曲では、心臓の鼓動のような音のビートが打ち込みで同期されている。

 8曲目は、橋本さんがギターをシンラインに持ち替え、「ほとんどチョコレート」。福岡さんは引き続き、シンセサイザーを担当し、リズム楽器などは打ち込み。ほぼ、音源のどおりのアレンジで、ライブ序盤の電子音を前面に押し出したサウンド・プロダクションから、徐々に耳ざわりが変わってきている。「ほとんどチョコレート」の後にはMC。

福岡「いいとこですよね、盛岡。私、おおはた雄一さんと一緒に、くもゆきってバンドやってるんですけど、おおはたさんもめっちゃ盛岡好きなんよ。常宿があるって言ってた(笑)」
橋本「なに、常宿(じょうやど)って?」
福岡「よく泊まる宿。だから、おかえりなさいって言われるって。それぐらい、盛岡好きなんやって。」
橋本「あやしい(笑) おおはたさん、あやしい!」
福岡「そんな、なんもないっす(笑) ほんまに盛岡好きなんやって!」
橋本「へぇ〜、ええことやなぁ。」

福岡「ちょっとぶりなのに、こんな様変わりしたチャットモンチーを見に来てくれて、ありがとうございます。パソコンで音を作って、足元で操作しつつ、やっているんですが、ここからは生音も混じえて、やっていきたいと思いますんで、ノッテくれよ!笑」

 9曲目は、橋本さんがエレキ・ギター、福岡さんは足でバスドラのペダルを踏みながらシンセサイザーを担当。アルバム『変身』に収録のバージョンではなく、group_inouによるGLIDER MIXに沿った演奏。福岡さんの言葉どおり、ギターの音は鋭く、バスドラの音は下から響き、ライブ序盤のメカットモンチーなアレンジと比較すると、格段にソリッドな音像になっている。

 10曲目は「8cmのピンヒール」。橋本さんは引き続きエレキギター、福岡さんはドラムを担当。アルバム『変身』時代を彷彿とさせる、アンサンブルが極限まで絞り込まれた、ソリッドかつパワフルなアンサンブルが展開。

 11曲目「消えない星」、12曲目「majority blues」、13曲目「Magical Fiction」と、現状の2人体制になってからレコーディングされた楽曲が続く。いずれも、音源に忠実なアレンジで、グルーヴ感抜群のチャットモンチーらしい演奏が繰り広げられる。

 14曲目は「こころとあたま」と「湯気」を、メドレーのようにシームレスに繋いで披露。タイトな部分と、荒々しい部分が同居し、疾走感と躍動感の溢れる、これまでのチャットモンチーが得意とする演奏が展開。電子音主体の序盤から、肉体的でオルタナティヴ・ロック全開のアレンジまで、無理なく1本のライブのなかに詰め込めるセンスと幅は、本当に驚異的だと思う。

 本編ラストの15曲目は「満月に吠えろ」。橋本さんがエレキ・ギター、福岡さんがドラムを担当し、基本的には音源に近いアレンジだが、打ち込みによる電子音が足されており、アクセントになっている。曲中には橋本さんのダンスも披露され、本編が終了。

 アンコールでは、ここまでのツアーと同様、手品のBGMのような音楽が流れ始め、2人がステージへ。これまでのツアーでは、BGMに合わせてチャットモンチーの2人が手品の体で帽子からグッズを出し、オーディエンスに紹介していくが、この日が誕生日の福岡さんに向けて、ここでもサプライズ。

 手品のBGMが、途中から『ウォーキング・デッド』のテーマ曲に切り替わり、さらに「Happy Birthday to You」へ。オーディエンスからは自然と歌声が起こり、曲中にスタッフによってケーキが運ばれてくる。曲は終わると、いたるところから「おめでとう!」の声と大歓声。このあと、橋本さんから福岡さんへのプレゼント、スタッフによる記念撮影があり、改めて2人のMCへ。

福岡「ほんとはね、ここで手品のコーナーがあるんですけど、いきなり『ウォーキング・デッド』のテーマが流れてきたから、サプライズでみんながゾンビになるんじゃないかと思って、すごいドキドキした!笑」
橋本「そっか、お客さんからなんかやられると思って!笑」
福岡「そう、ウォ〜〜とか言って。ありがとうございます。私の為に、こんなに時間を割いていただいて。なんか、達成感がすごい、達成感っていうか満足感がすごい(笑) じゃあ、アンコールやりますか?」
オーディエンスから大きな拍手。
福岡「アンコールも申し訳ないことにね、私の好きな曲なんですよ。」
橋本「そうなの。申し訳なくないよ!」
福岡「ほんま? さらに申し訳ないことに、完成度がめっちゃ低いんですよ(笑) 昨日、青森で。完成度低いんですけど、新しいカバーやってもいいですかって聞いたら、みんながいいよって言ったから、やらしてもらったんですけど、1000点中2点の演奏でした。」
橋本「超低いやん!」
福岡「今日は12点を目指して頑張る! いいかな、それでも? いっか、誕生日やけん!」
オーディエンスから拍手と歓声。
福岡「いけるかなー?」
橋本「うん、行ける!」
福岡「ちなみにタイトル言っても、わかる人半分もいない気がするんですけど、チャゲアスやるんですよ。チャゲアス大好きで、ラジオのレギュラーやってた時に、かけたかったんですけど、規制がかかってかけれなかったんですよ(笑) だから、自分のライブでやるっていうね。えっちゃんにASKAやってもらって。だから、まだ完成度が低くて、私Chageまで行けてないんですよ。」
橋本「じゃあ、お互い目指そう! ChageとASKAを。」

 アンコール1曲目に演奏されたのは、CHAGE and ASKAの「モーニングムーン」。担当楽器は、橋本さんがボーカルとシェイカー、福岡さんがキーボード。

 キーボードの演奏は確かにテクニカルで、流れるようなフレーズと、リズムのキープも兼ねたパーカッシヴなフレーズが共存し、なかなか難易度が高そう。しかし、前日の青森公演での演奏も、本人が「2点」と評価するほどの完成度ではなく、キーボートと橋本さんの声が絡み合い、グルーブ感を持った良い演奏。この日は前日からさら演奏の精度が向上し、楽器数は少ないながらバンド感の増した演奏となっていた。

福岡「2点ではなかった気がする。」
橋本「2点より上がった!」
福岡「4点ぐらい行ってたかな?」
橋本「4点ぐらい行ってた!」
橋本・福岡「ありがとうございます!」
福岡「それでは皆さん、最後にこの曲で一緒に盛り上がってください!」

 福岡さんの上記の言葉に導かれ、チャットモンチーのファンにはお馴染みのバスドラのリズムが響き始める。アンコール2曲目、この日ラストに演奏されたのは「シャングリラ」。

 ドラムは打ち込み、福岡さんはベース、橋本さんはギターを担当。ドラム以外にも、打ち込みによる電子的なサウンドが足されているが、リズムと楽曲の構造はオリジナル通り。しかし、イントロ部分で従来には無かったギターのフレーズを弾いたりと、随所に隠し味のようにアレンジが施されている。サウンドやリズム構造に、大胆なアレンジを施してきたこの日のメカットモンチー体制でのライブの中では、ノリ方がわかるアレンジであったため、オーディエンスも非常に盛り上がりライブは終了。

 最後の「シャングリラ」は前述のとおり、リズム構造は共通しているアレンジだったため、オーディエンスも従来通りのノリ方をしていましたが、一部の楽曲は、解体・再構築していると言っても良いぐらい、大きなアレンジを加えられており、2人の音楽的な引き出しの多さを、改めて感じるライブでした。

 例えば、激しく歪んだソリッドなギターが主軸だった曲を、ソフトなシンセサイザーの音色で組み立て直し、全く別の曲のように響かせる場面も多々。このような大胆なアレンジには、メロディーを前景化させたり、あるいは既存のアレンジとは違ったグルーヴ感が溢れていたりと、楽曲の別の魅力を引き出す効果があります。少なくとも僕は、「この曲にはまだこんな魅力があったか」「この曲のリズムの気持ちよさは、ドラムと歌の関係性にあったか」など、多くの気づきがあるライブでしたね。

 リズム、メロディー、ハーモニー、そしてサウンド。音楽を形作る要素を、既存の楽曲のなかで変幻自在に操り、全く別の一面を見せるチャットモンチーの手腕は、本当に見事! 改めて、すごいバンドだと思います。


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017
2017年4月16日
盛岡Club Change WAVE
セットリスト

01. レディナビゲーション
02. 隣の女
03. 恋の煙
04. バースデーケーキの上を歩いて帰った
05. ぜんぶカン
06. 余談
07. CAT WALK
08. ほとんどチョコレート
09. 変身 (GLIDER MIX)
10. 8cmのピンヒール
11. 消えない星
12. majority blues
13. Magical Fiction
14. こころとあたま~湯気
15. 満月に吠えろ
アンコール
EN1. モーニングムーン (チャゲ&飛鳥カバー)
EN2. シャングリラ




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チャットモンチー 2017年4月15日 青森Quarter

チャットモンチー
2017年4月15日
青森Quarter
「チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017」

 定刻になると客電が落ち、今ツアー共通のSEが流れる。ベースラインがリズムを刻むなか、様々な効果音が飛び交うこの曲。SEが終盤に差し掛かると、チャットモンチーの2人がステージへ。ステージ上には、2台のシンセサイザーが向かい合うように設置されており、オーディエンス側から見て右側に橋本さん、左側に福岡さんが座る。オーディエンスからは、盛大な拍手と歓声。

 モニター用のヘッドホンも装着し、1曲目は「レディナビゲーション」。打ち込み然とした均質な音のドラムの上に、2人がシンセサイザーでコードやベースラインを弾いていく。アルバム『YOU MORE』収録の音源とは、明らかに耳触りが異なるサウンドとアレンジで、オーディエンスからは戸惑いも感じられる。しかし、1曲が終わる頃には、みんな曲に合わせて緩やかに揺れていた。演奏が終わると、大きな拍手。

 橋本さんが「皆さん、こんばんはチャットモンチーです! 青森に来たのは…たぶん4年ぶり!…ぐらいです!」、福岡さんが「4年前も2人だったと思うんですけど、またこんなにも変わってしまいました(笑) でも、見捨てずに来てくれてありがとうございます。」と挨拶。

 2曲目「隣の女」、3曲目「恋の煙」も、音源とは異なるシンセサイザーの電子音感が目立つアレンジ。特に「恋の煙」は、イントロの歪んだギターがシンセサイザーに置き換えられ、サウンドの違いが際立っていた。打ち込みによるドラムのビートも、打ち込み感を強調するような均質なもの。

 3曲目「恋の煙」が終わると、打ち込みによるドラムが流れ始める。そのドラムをバックに、2人が話を始める。

福岡「いきなりですが、今日誕生日って人いますか?」
(オーディエンス数人から手が上がる)
福岡「おー、めっちゃおる! ちなみにアラウンド3日以内って人はいますか?」
(また、数人から手が上がる)
橋本「あっこちゃんもやん!」
福岡「そう、私も! 私と同じ誕生日の人おる? おらんか。今から「バースデーケーキの上を歩いて帰った」という曲をやるので、サビのところで誕生日の人に向かって、うわーって拍手してあげてください!」

 4曲目は「バースデーケーキの上を歩いて帰った」。この曲もドラムは打ち込み、2人がそれぞれシンセサイザーを弾くのだが、それまでの3曲に比べれと、ドラムのリズムが軽やかで、バンド感を感じさせるアレンジ。「バースデーケーキの上を歩いて帰った」の後にはMC。

橋本 (シンセサイザーで電話の呼び出し音を鳴らす)
福岡「ガチャ! もしもーし。」
橋本「もしもし、あっこちゃん?」
福岡「なんなん? 携帯じゃなくて、自宅の電話にしてきて。」
橋本「今なにしてる?」
福岡「今、青森でね、300人と一緒にホタテ食べてるわ。」
(オーディエンス爆笑)
橋本「マジで? 300個もホタテ?」
福岡「うん、余裕余裕。ホタテが売るほどあるけん、青森は! ほたてソフトクリームまである! えっちゃんは何してんの?」
橋本「今、ワ・ラッセにいるんだけど。食べ放題で、めっちゃチラシ寿司食べてるんやけど。食べ終わったんで、あっこちゃん家にいってもいいかな?」
福岡「いいよ、青森の私の別荘ね。ペンソンにね(笑)」
橋本「じゃあ、青い森鉄道に乗っていくわ。」
(シンセサイザーで電車が走る音を鳴らし、橋本さんが福岡さんの隣へ移動)
福岡「じゃあ、うちに来たからには、ラップやってってもらうから。」

 チャットモンチーでラップが入る曲といえば「ぜんぶカン」。この曲では、福岡さんがドラム、橋本さんがシンセサイザーを担当。橋本さんが弾くシンセサイザーは、一音を弾くと、その音からフレーズが続くように設定されているようだ。まず橋本さんがシンセサイザーを弾くが、弾く音を間違ったのか、不安定なフレーズが演奏される。

橋本「ちょっと待って!」
福岡「ヤバい(笑) なに今の不穏な音?」
橋本「ごめん、もう1回いきます!」

 あらためて5曲目「ぜんぶカン」がスタート。ベースの音も聞こえたので、ベースは打ち込んだものを再生させているようだ。ドラムが生演奏に切り替わったため、ここまでのメカットモンチー体制のアレンジに比べると、生バンド感が増している。「ぜんぶカン」の後には、またMC。

橋本 (福岡さん側から、元々いたステージ右側へ戻る)
福岡 (シンセサイザーで雨が降る音を鳴らす)
橋本「雨?」
福岡 (カミナリの音を鳴らす)
橋本「カミナリやん。」
福岡 (吹雪の音を鳴らす)
橋本「どこ? 急に荒れたん、天気が?」
福岡 (鳥のさえずりの音を出す)
橋本「晴れたん? 森? やっぱり青い森?」
福岡 (馬が走る音を出す)
橋本「馬? なんのヒントもなかったけど、来るんやな私の家に。」
福岡「馬に乗って行こうと思ったんやけど、馬の距離じゃなかったみたい、えっちゃん家。」
(シンセサイザーでヘリのプロペラ音を鳴らし、福岡さんが橋本さんの隣へ移動)
橋本「ヘリや。」
福岡「えっちゃん家は、白を基調としてるんやね。」
橋本「そうなの、でも床だけ黄色いの。たまごを意識してるの。目玉焼き。」
福岡「なるほどね(笑) いっつもここそうなんですけど、面白いこと言うたらいかんコーナーなんですよ。これからいい曲やろうとしてるのに。そういう歌か。」
橋本「そういう歌。」
福岡「余談という曲をやりたいと思います。」

 6曲目は「余談」。橋本さんはアコースティック・ギター、福岡さんはベースを担当。この曲は打ち込み音源も使用していないようで、ここまでのライブとは一変して、アコースティックでしっとりと聴かせるアレンジ。

 福岡さんが、橋本さんの隣から元の位置に戻り、7曲目は「CAT WALK」。橋本さんは引き続きアコースティック・ギター、福岡さんはシンセサイザーを担当。心臓の鼓動を思わせるような深くエコーのかかったバスドラのような音も鳴っていた。この音は、打ち込みのようだ。橋本さんは弾き語りのようにゆったりしたコード・ストローク、福岡さんはシンセサイザーでピアノの音色を使い、隙間を埋めるように音を紡いでいく。

 8曲目は「ほとんどチョコレート」。橋本さんはギターをアコースティックからエレキに持ち替え、福岡さんは引き続きシンセサイザーを担当。ドラムは打ち込んだものを同期しているようだ。「ほとんどチョコレート」の後にはMCで、今回の機材の説明。

福岡「(プライバシー保護のようなエフェクトのかかった声で)ハロー!」
(オーディエンスの一部から「ハロー」という返事)
福岡「マジか、ありがとう! ハローで返してくれるなんて。今、声が変でしょ? メカになってから導入したんですけど、別に犯罪者なわけじゃないです(笑) 今回のメカットモンチーは、メカの力を最大限に駆使してやっておりまして、パソコン君しかり、メカはもうメンバーみたいなものなんです。」
橋本「…はい。」
福岡「ここに理解者が1人いました(笑) そうなんよ。見てるだけじゃいまいちわからんという方のために、いつも説明しようとするんですが、説明の仕方が難しいんですけど(笑) さっきの声が変わるやつは、私とえっちゃんの音を感知して、勝手にハモってくれる機械なんですよ! 皆さんもお金払えば明日からハモってもらえますよ(笑) 文明はお金で買えるんです! あと、曲の合間の音とか、オープニングの音はえっちゃんが作ったんですよ。」
(オーディエンスから「へぇー」という感嘆の声)
福岡「すごいでしょ?」
(オーディエンスから「すごーい!」の声)
橋本「違うんよ、今のなんて氷山の一角。一角以外の部分は、全部あっこちゃんが担って、パソコン使いの女王となって、ここに君臨しています!」
福岡「そうなんや、わたし女王なんや(笑)」
橋本「うん、すごい操ってる!」
福岡「えっちゃんも私も足元で操ってて、なるべく心まではメカにならないようにと(笑) だから、わりとフィジカルですよね。」
橋本「4年前に2ピースで来たときの考え方とはガラリと変わって、当時はもうクリックすら嫌ってて、アイツに支配されたくないっていうぐらい、電子的なものがイヤだった時期で。」
福岡「クリックの野郎!みたいな(笑)」
橋本「そう、絶対合わせません!みたいな感じで、もうズレて行こう!みたいな感じで、やってたんですけど、4年も経つと、もう頼って頼って(笑) 変わるもんですねぇ。」
福岡「でも、チャットがメカをやるのはこういうことになるんだっていう、なるべくメカだけど肉体的になりたいから、足でリズムを切り替えてたんですよ、最初の2回ぐらい。あんまりそういうことするから、パソコン止まったりして。やっぱりメンバー同士の争いはありますよね(笑)」
橋本「もう、出世魚みたいな感じですよね。」
福岡「今どのへんなんやろ? 出世魚でいうと(笑) もう一番デカいかなぁ?」
橋本「鮭?」
福岡「戻り鮭かなぁ? もう、みんなついてきてないよ(笑) じゃあ、えっちゃんが作った音を聴いてもらおうかな。」

 9曲目は「変身」。福岡さんの言葉どおり、まず橋本さんが作ったという、宇宙空間を漂うようなスペーシーなSEが流れ始める。この曲では橋本さんはエレキ・ギター、福岡さんはドラム。それ以外にもベースや効果音も聞こえるが、これらは全て打ち込んだものを同期させているようだ。オリジナル・バージョンではなく、group_inouによるGLIDER MIXに準拠したアレンジでの演奏だが、ライブ序盤の楽曲に比べると、生バンド感はますます増してきていた。

 10曲目「8cmのピンヒール」、11曲目「消えない星」も、引き続き橋本さんはエレキ・ギター、福岡さんはドラムを担当。この2曲は変身TOUR期に近いアレンジとサウンドで、これまでのチャットモンチーが得意としていたグルーブ感があふれていた。

 橋本さんの「東京と徳島のことを思って書いた曲です」という紹介から、12曲目は「majority blues」。現状の2ピースになってからの楽曲なので、ほぼ音源どおりのアレンジ。

 出たばかりの新曲ということで、収録曲とPVの紹介をしてから、13曲目に披露されたのは「Magical Fiction」。橋本さんはシンセサイザー、福岡さんはドラムを担当。この曲も現状の2ピース体制になってからの楽曲なので、音源どおりのアレンジでの演奏。ベースは打ち込みのようだ。

 14曲目は「こころとあたま」から「湯気」のメドレー。担当楽器は引き続き、橋本さんがシンセ、福岡さんがドラム。ギターレスの編成だが「こころとあたま」のイントロでは、橋本さんがラフなリズムで、フランジャーのかかったような音色でシンセを引き、バンド感は強い。

 「こころとあたま」のサビ後の間奏部分で、橋本さんがシンセからエレキ・ギターへ。福岡さんがドラムを叩き続けるなか、「湯気」のイントロのギターを弾き始める。非常に荒々しく、今までのチャットモンチーらしい音とグルーヴ感のある演奏だった。

 本編ラスト15曲目は「満月に吠えろ」。音源に近いアレンジだが、イントロ部分のギターが、音源だとドラムのカウントのあと最初の8小節はコード弾きのみ、その後8小節にギター・ソロが入ってくるが、今回のツアーでは最初からギター・ソロが入ってくる。また、橋本さんのギターと福岡さんのドラム以外にも、いくつかの電子音が打ち込みで同期されているようだ。

 アンコールでは、まず手品風のBGMが流れ始め、しばらくするとチャットモンチーの2人がステージへ。背の高い帽子と、白い手袋を着用しており、マジシャンに扮しているということのようだ。帽子の中から2人が次々に今回のツアーグッズを出していく。

福岡「なんやねんって感じでしょ(笑) これが私たちが編み出した、喋らない物販紹介です。まぁ、アンコールなんでね、おまけー!みたいな。」
橋本「今回のツアーでは、アンコールの1曲目はカバーしようって決めてて、この4月クール、新しい曲を用意…し始めています! 今の語尾の意味は?」
福岡「あのな、練習したんですよ新しい曲を。そしたら、なかなかの低い完成度で(笑) でも、どうしてもやりたいんですよ。これから徐々にうまくなっていくと思うんですけど…とりあえず聴く?笑」
(オーディエンスからは拍手と歓声)
橋本「ごめんな。先に謝っとこうか。」
福岡「先にめっちゃ謝っとく!」
橋本「でも、どうしてもやりたくって、今日もギリギリまで練習してたんですけど、やっぱり100%までいってない状態なんやけど、どうしてもやりたいから、やらせてください!」
(オーディエンスからは大きな拍手)
福岡「(シンセを弾きながら)ほんま自信ないけん、間違えたらやり直させてな。」
橋本「あっこちゃんが愛してやまない人のカバー。」
福岡「えっちゃんが一緒にやってくれるって言うから。世代的に知らん人おるかもしれんけど、手拍子してのってればいけると思います。」
橋本「じゃあ、エリandアキで、CHAGE and ASKAのモーニングムーンやります。」

 アンコール1曲目はCHAGE and ASKA(チャゲ・アンド・アスカ)のカバーで「モーニングムーン」。福岡さんがピアノの音色に設定されたシンセサイザー、橋本さんがボーカルとシェイカーとタンバリンを担当。この曲では、打ち込みは使用していない。

 橋本さんの「いっせーのーで」という声から曲がスタート。ピアノは難易度が高いらしく、1回目はイントロ部分で福岡さんが「ごめん、もう1回やらして!」と言って、仕切り直し。少しテンポを落としてから、今度は「ワン、ツー、さん、はい!」という声からスタート。福岡さんのピアノと橋本さんのボーカルとパーカッションのみの編成だが、2人の間でしっかりとグルーブ感が生まれていて、やっぱりチャットモンチーはバンドだなと感じる演奏。

福岡「もう、2点! 2点のできやったけど、無事完奏できました。」
(オーディエンスから大きな拍手)
福岡「チャゲアス大好きなんですよ、私。もちろん飛鳥も大好きで…」
(オーディエンス爆笑)
橋本「そうだよ、チャゲだけ好きなんてな。両方でCHAGE and ASKAやから。」
福岡「そう、両方好きで、ラジオでかけたかったけど、かけたらあかんって言われて(笑) 今、ちょっと世の中的にあかんって言われたから、ツアーでやりました。」
(オーディエンスから大きな拍手)
橋本「よかったな。」
福岡「ちょっと、えっちゃんに飛鳥を見たよ。一瞬しか見れんかったけど、飛鳥や!って。」
橋本「ほんま? ありがとう!」
福岡「こちらこそ、ありがとう!笑」

 アンコール2曲目は「シャングリラ」。橋本さんがギター、福岡さんがベース、それ以外のドラムと電子音は打ち込み。まず、聞き慣れたバスドラのリズムが流れ始める。福岡さんが「最後はこの曲で盛り上がっていただきたいと思います!」と言ってから、スネアが入り、橋本さんはスライド・ギターを思わせるようなフレーズを弾き始める。

 ところどころアレンジは変わっているが、ドラムのリズムやベースラインなど基本的な構成は音源どおり。オーディエンスも非常に盛り上がり、この日のライブは終了!

 月が変わって、4月1本目のライブ。アンコールでのカバー曲にもあらわれていますが、今回のツアーは試行錯誤の過程も見せてくれているようで、メンバーのMCも今までになくリラックスしているように感じます。「試行錯誤」と書きましたが、決してライブのクオリティが低いということではありませんよ。


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017
2017年4月15日
青森クォーター (Quarter)
セットリスト

01. レディナビゲーション
02. 隣の女
03. 恋の煙
04. バースデーケーキの上を歩いて帰った
05. ぜんぶカン
06. 余談
07. CAT WALK
08. ほとんどチョコレート
09. 変身 (GLIDER MIX)
10. 8cmのピンヒール
11. 消えない星
12. majority blues
13. Magical Fiction
14. こころとあたま~湯気
15. 満月に吠えろ
アンコール
EN1. モーニングムーン (チャゲ&飛鳥カバー)
EN2. シャングリラ




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チャットモンチー 2017年3月26日 岡山CRAZYMAMA KINGDOM

チャットモンチー
2017年3月26日
岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
「チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017」

 定刻になると客電が静かに落ち、それまでざわついていたオーディエンスが静まり返る。オープニングSEは今ツアー共通の、橋本さんが作成した音源だ。しばらくするとチャットモンチーの2人がステージへ。ギターやベースではなく、ステージ中央に向かい合うように設置されたシンセサイザーの前にそれぞれ座る。オーディエンス側から見て、橋本さんが右側、福岡さんが左側。

 1曲目は「レディナビゲーション」。僕自身は今回のツアーで何回も聴いているので慣れてきたが、音源とは全く違うサウンドとアレンジのため、オーディエンスからは緊張や戸惑いのような空気が伝わる。しかし1曲目が終わる頃には、それぞれが新しいチャットモンチーの楽しみ方を見つけ始めたのか、演奏が終わると大きな拍手。

 レディナビゲーション後には橋本さんが「皆さんこんばんは、チャットモンチーです! 岡山はねぇ、2年ぶりらしいです。こないだ2年前に来たときは、サポートメンバーと一緒に6人で来たんですけど、今日は2人だけでパソコンと一緒にやっていきたいと思います!」と挨拶。

 2曲目は「隣の女」。乙女団の編成時の楽曲で、オリジナルのアレンジでもピアノが使用されているが、シンセサイザーに置き換えられると、だいぶ印象が異なる。ピアノとシンセサイザーの違い以上に、打ち込みによるドラムが、リズム、サウンド共に質感を変えている。

 3曲目は「恋の煙」。この曲もオリジナル音源とは、印象が大きく異なる。音源では、歪んだギターと硬質な音のベース、正確なドラムが一体となった、音もアンサンブルもロックの魅力を絞り込んだような1曲だ。しかし、今ツアーのアレンジでは、打ち込みによる四つ打ちのドラムに2台のシンセサイザーが加わり、サウンドもリズムも、テクノポップと言った方が適切な仕上がり。オーディエンスからも最初は戸惑いが感じられたが、徐々に曲に合わせて緩やかに揺れ始める。

 「恋の煙」の後には、今度はトロピカルなイメージの、ノリのよいリズムが流れ始める。そのリズムをバックに、チャットモンチーの2人が話し始める。

福岡「じゃあ、ちょっとここでお祝い事をやりたいと思います。今日、誕生日当日っていう人いますか?」
(オーディエンスから、1人も手が上がらず)
福岡「いない! マジで!?」
橋本「こんなにおるのに? 650人ぐらい、おるんやて! ほんまにおらんのかな?」
福岡「ほんまかな? じゃあ、アラウンド3日以内。」
(オーディエンス数人から、手が上がる)
福岡「おぉおー、めっちゃおるやん!」
橋本「おった、おった!」
福岡「じゃあ今から誕生日の曲をやろうと思います。なので、サビのハッピーなバースデーって部分で、手を上げた人たちに拍手してもらえたらと思います。」

 以上の流れから、4曲目に披露されたのは「バースデーケーキの上を歩いて帰った」。ここまで3曲のドラムはダンス・ミュージック然としたベース・ドラムが特徴的なサウンドとリズムだったが、この曲では音もリズムも軽やか。そんな打ち込みのリズムの上に、2人の弾くシンセサイザーがお互いに絡み合い、徐々にグルーヴ感が生まれる。アレンジもサウンドも音源とは違うが、やはり随所にチャットモンチーらしさがにじみ出てくる。

「バースデーケーキの上を歩いて帰った」のあとのMC。
福岡「みんな拍手のときの笑顔が素敵ですね。」
橋本(シンセサイザーで電話の呼び出し音を鳴らす。徐々に音が大きく、リズムが荒々しくなる。)
福岡「もしもーし!」
橋本「もしもし? 晃子殿?」
福岡「なんで急にアキバ系になったん?笑」
橋本「絵莉子君(えりこぎみ)ですけど。今なにしてる?」
福岡「今ねぇ、岡山で650人ぐらいと桃食べてるわ。」
橋本「えっ! そんなにいっぱい桃ある?」
福岡「あるんよ。桃太郎の桃って、1個がでかいやん? 人が入るぐらいやから。だから2個ぐらいで、650人分ぐらいあんねん。えっちゃんは何してるん?」
橋本「私は桃太郎の像の前で自撮りして、SNSにアップして、それから岡山駅のサンステのマクドナルドに並んでるんやけど。」
福岡「マジで? 私も昨日、そこ行ったわ(笑)」
橋本「暇やから、今からあっこちゃんのところ行っていい? 見せたいキジがおるんよ。」
福岡「それはちょっと見たいかも(笑) じゃあキジが来てもいいように、お菓子とか片づけとくわ。」
橋本「じゃあ、これからキジ連れて行くわ。」
(シンセサイザーで「チュンチュン」という感じの鳥の鳴き声を鳴らし、橋本さんが福岡さんの隣へ移動)
福岡「まだちっちゃいやつやん(笑) いらっしゃい。」
橋本「あっこちゃんの部屋は、ここにピアノがあって、ドラムがあって、またピアノがあって、ピアノの横にはパソコンがあって、見えん人もいると思うけど、すごいことになってるんよ!」
福岡「すごいやろ?笑」
橋本「音楽するか、寝るかやなぁ。」

 橋本さんが福岡さんの部屋に遊びに来たという設定で、5曲目は「ぜんぶカン」。ここまでは、ドラムが打ち込み、2人がセンセサイザーという担当だったが、この曲では福岡さんがドラム、橋本さんがシンセサイザー。ベースラインも聞こえてきたので、これは打ち込みのようだ。イントロ部分などの一部で、橋本さんのシンセサイザーは一音を弾くと、アルペジエーターのようにフレーズが再生される設定のようだ。

「ぜんぶカン」のあとのMC。
(橋本さんが福岡さんの隣から、元の位置に戻る)
橋本「ああ、今度はあっこちゃん来んかなぁ。私の家に来んかなぁ。」
福岡 (シンセサイザーでワープ音のようなものを鳴らす)
橋本「なになにどういうこと? なんかデータだけで飛んできたってこと?」
福岡 (銃撃戦のように様々な銃声を鳴らす)
橋本「なんか悪い映画でも観てるみたい。めっちゃ撃ちあってるやん!」
福岡「めっちゃ『ウォーキング・デッド』観てんねん。今、『ウォーキング・デッド』観てて手が離せないけど、えっちゃん家いく約束してたなぁ。」
橋本「…うん、そういう流れやから。めっちゃ練習してきたやん、ここ(笑)」
福岡「じゃあ、ちょっとおしゃれして行くわ。」
(シンセサイザーで、ヒールで歩く音を鳴らし、福岡さんが橋本さんの隣に移動)
橋本「ヒールで来てる!」
福岡「えっちゃん家、意外と広いやん。」
橋本「そうやで。床は黄色ですよ!」
福岡「なんかコーヒーこぼした跡ない?」
橋本「ないよ!」
福岡「全体的に黄色いな。なんかいっつもこういう感じ(笑)」
橋本「余談が多いよな。」
福岡「言っていい? 整いました(笑)」

 6曲目は、ここまでのメカ体制とは打って変わって、アコースティックなアレンジで「余談」。橋本さんはアコースティック・ギター、福岡さんはベースを担当。橋本さんはゆったりとしたストロークでコードを弾き、福岡さんはドラムも兼ねるような、ところどころアクセントの移動するベースラインを弾いていく。この曲では、打ち込みは使用されていないようだ。

 7曲目は引き続きアコースティックなアレンジで「CAT WALK」。橋本さんはアコースティック・ギター、福岡さんは橋本さんの隣から元の位置に戻りシンセサイザー。シンセサイザーはピアノの音色に設定されている。また、ドラムとベースは打ち込んだものを同期しているようだ。

 8曲目は「ほとんどチョコレート」。橋本さんはギターをエレキに持ち替え、福岡さんは引き続きシンセサイザー。打ち込みにより、ベースとドラムなど複数の音色の音が足されている。バスドラとベースのような低音が、沈み込むように会場内に響いていた。

「ほとんどチョコレート」のあとのMC。
福岡「メカットモンチーどうよ?」
(オーディエンスから「最高ー!」の声)
福岡「ありがとう! ごめんな、言わしたみたいで(笑) さっきえっちゃんも言ってたけど、前に来たときは6人編成で、サボートメンバーがすごく支えてくれました。サポートメンバー迎えるのは初めてだったし、すごくいろんなことを学びまして、それからもう1回ふたりだけでやってみたらどうなるかなって、純粋に興味があって、チャットモンチーからは想像できない、まさかの機械を入れてやるっていうのは、一番興味があったんですよ。それを、機械っぽいシングルを出すこともなく、急に機械仕掛けのツアーやるけん来てな!って言って、ようこんだけ集まってくれました。ありがとう!」
橋本「ほんまありがとうございます。めっちゃ嬉しい。」
福岡「目の粗いふるいから、目の細かいふるいまで、いくつもふるいにかけられて残ったダマたちが、ここに残ってるわけですね。」
橋本「ほんまに安心感が、すごいあるんですよね。」
福岡「えっちゃん、過去最高しゃべっとるよな。」
橋本「うん、なんかもうキャラクターとかどうでもいいかなっていう(笑) 楽屋からポンって出てきたみたいな。」

 9曲目は「変身」。まず、スペーシーなSEが流れ始め、福岡さんが「このスペーシーな音、これえっちゃんが作ったんですよ。ここからは生の楽器も足しつつ、やっていきたいと思いますんで、最後まで楽しんでってください!」と言ってから、演奏がスタート。橋本さんはエレキギター、福岡さんはドラムを担当し、ベースと一部のドラムは打ち込みで同期させているようだ。福岡さんの言葉どおり、橋本さんのギターは鋭く歪み、福岡さんのドラムは荒さを残しつつ強弱のある演奏のため、一気に生バンド感が増している。

 10曲目「8cmのピンヒール」、11曲目「消えない星」と、橋本さんがエレキギター、福岡さんがドラム、ベースが打ち込みという編成のまま演奏が続く。この2曲は、ライブ序盤のメカ全開のアレンジに比べると音源のアレンジに近く、アルバム『変身』期の2ピースを彷彿とさせるもの。橋本さんの「次の曲は、岡山からそう遠くない徳島のことを歌った曲です。」という言葉から、12曲目に演奏されたのは「majority blues」。こちらも音源とほぼ同じアレンジ。

「majority blues」後のMC。
橋本「サンキューです。」
福岡「えっ?」
橋本「サンキューですって言ったの。…ちょっと空気こわしたかな?」
福岡「大丈夫、あの感じじゃないから大丈夫。サンキューで〜す!じゃないから大丈夫(笑) ほんまに楽屋と変わらんなぁ。」
橋本「そうなの。こんなツアー初めてかもしれん。」
福岡「昔、おらおらって感じでやってたときは、そういう気持ちで臨んでましたけど、今コーヒー飲めるもんな。」
橋本「全然! お味噌汁も飲めると思う!」
福岡「ていうぐらい、リラックスした気持ちで今回のツアー、回れてます。でもメカになったばっかりのときは、めちゃくちゃ緊張してまして、初めてのメカットモンチー披露のときに、2人で胃薬で乾杯しましたね(笑)」
橋本「したなぁ、出番の直前に。」
福岡「そんなチャットモンチーなんですが、4月5日に新しいシングルを出します! なんと、新曲なのにメカっぽくない(笑) また、生音で録りましたね。」

 福岡さんの紹介どおり、13曲目は4月5日発売の新曲「Magical Fiction」。この曲では、橋本さんがシンセサイザー、福岡さんがドラムを担当。ギターレスのため、今までのチャットモンチーとは質感が異なるが、生演奏感、グルーヴ感が溢れる演奏だった。

 14曲目は「こころとあたま」から「湯気」へのメドレー。橋本さんは引き続きシンセサイザーを弾くが、「こころとあたま」のサビが終わり間奏になったところで、楽器をエレキギターに替え、「湯気」のイントロを弾き始める。荒々しさとタイトさの共存したチャットモンチーらしい演奏。

 本編ラストの15曲目は「満月に吠えろ」。橋本さんはギター、福岡さんはドラムで、ベースなどいくつかの音が打ち込みによって足されている。『変身』収録の音源に近いアレンジで、このときのツアーでの演奏に近い。Aメロ部分では、橋本さんのダンスも披露された。

 アンコールでは、手品風のBGMが流れるなか、背の高いハットと白手袋でマジシャンの扮した2人が、ハットから次々と今ツアーのグッズを出していく。無言のグッズ紹介ということだ。

 橋本さんの「アンコール1曲目はカバーをしたいと思います!」という言葉から、演奏されたのはGO!GO!7188のカバーで「瑠璃色」。橋本さんはギター、福岡さんはシンセサイザーで、ドラムは打ち込み。シンセサイザーの音色はピアノに設定されている。打ち込みのドラムも含めて、各楽器が絡み合ってグルーズ感が生まれていく演奏だった。

 アンコール2曲目、この日のラストは「シャングリラ」。橋本さんは引き続きギター、福岡さんはベースで、ドラムは打ち込み。イントロのバスドラの四つ打ち部分が音源よりも長く、ドラム以外にキーボードの音も打ち込みで足されている。しかし、基本的には音源に近いアレンジで、2人と機械だけでさすがのグルーヴ感を作っていた。オーディエンスも非常の盛り上がり、この日のライブが終了。帰り際に福岡さんが「また帰ってくるけん、遊びに来てな。次はどんな体制かわからんけど、岡山の人は来てくれると信じています! ありがとうございました!」と挨拶。

 3月9日の新潟から始まったツアーも6本目。演奏も雰囲気も成熟してきていて、すごいものを見せてもらっている、音楽が育っていく瞬間に立ち会えている、という感覚をあります。本当にすばらしいです、チャットモンチー!


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017
2017年3月26日
岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
セットリスト

01. レディナビゲーション
02. 隣の女
03. 恋の煙
04. バースデーケーキの上を歩いて帰った
05. ぜんぶカン
06. 余談
07. CAT WALK
08. ほとんどチョコレート
09. 変身 (GLIDER MIX)
10. 8cmのピンヒール
11. 消えない星
12. majority blues
13. Magical Fiction
14. こころとあたま~湯気
15. 満月に吠えろ
アンコール
EN1. 瑠璃色 (GO!GO!7188カバー)
EN2. シャングリラ




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チャットモンチー 2017年3月24日 浜松窓枠

チャットモンチー
2017年3月24日
浜松 窓枠
「チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017」

 定刻になると客電が落ち、今ツアー共通のSEが流れ始める。たびたびメンバーがライブ中に言及しているが、このSEは橋本さん作成とのこと。メンバー2人はギターやドラムではなく、ステージ上に向かい合うように設置された2台のシンセサイザーの前にそれぞれ座る。

 1曲目は「レディナビゲーション」。『YOU MORE』収録の音源では、イントロから歪んだギターのフレーズが印象的な曲だが、今回のツアーではシンセの柔らかい音色を使って、大胆にアレンジし直されている。

 「レディナビゲーション」終了後には、橋本さんが「皆さんこんばんは、チャットモンチーです。浜松に来たのは4年ぶり!…ぐらい。今日はメカで来たから、メカってパソコンと一緒に来たって意味なんですけど、メカットモンチーを楽しんでもらいたいなと思います。」と挨拶。

 2曲目は「隣の女」。音源ではピアノが大活躍している曲だが、同じ鍵盤楽器とはいえ、シンセ然としたフワッとした音色と、打ち込みによるビートを中心にアレンジが施されているため、やはり印象が大きく異なる。最初の2曲だけを聴いても感じるのは、まずサウンドを変えることで、知っている曲でも一種の異化作用が起こり、新鮮な気持ちで曲と向き合えるということだ。

 3曲目「恋の煙」。音源では鋭く歪むギターから始まるが、やはりそのフレーズもシンセサイザーに置き換えられている。ここまでの2曲と比べても、音源とのサウンドの違いを否が応でも感じる音作りだ。「恋の煙」が終わると、打ち込みによるドラムのリズムが流れ、そのリズムをバックに、チャットモンチーの2人が話し始める。

橋本「ありがとうございます。すごい、みんなノってくれてる。」
福岡「みんなすごい音楽レベル高いんちゃいますか。」
橋本「凄いよ、浜松。」
福岡「えーっと、ここ3日以内誕生日の人いますか?」
(オーディエンス数人から手が上がる。)
福岡「おー、おった! ちなみに当日の人?」
(1人のオーディエンスが手を上げる。)
福岡「おめでとう! 何歳ですか?」
手を上げたオーディエンス「24です!」
福岡「若い!」
橋本「(私たちと年齢が)10個も違う!」
福岡「じゃあ、その誕生日の人たちに向けて、今から誕生日の曲をやるので、サビのところでその人たちに向かって拍手してください。」

 この間、打ち込みのドラムは流れ続けている。そのまま2人がシンセサイザーを弾き始め、4曲目は「バースデーケーキの上を歩いて帰った」。ここまでの3曲と比べると、メカ要素によるサウンドの違いがそれほど気にならず、それよりもドラムの軽快で楽しげなリズムと、それに合わさるシンセサイザーが耳に残る。3曲を経て、サウンドにも慣れ、サウンド以外の要素にも注意が向き始めたということか。いずれにしても、音源と比べると、リズムやサウンドは変わっているのだが、この曲が持つハッピーな雰囲気は多分に含まれていた。

 「バースデーケーキの上を歩いて帰った」の後には、長めのMC。

橋本(シンセサイザーで電話の呼び出し音を鳴らす。途中から不安定なリズムと音程で鳴らす。)
福岡「なんか音程悪い電話が鳴ってる(笑) なんだろう、怖い怖い! 着信アリって出てる!」
橋本「もしもし、あっこちゃん?」
福岡「誰!?」
橋本「チャットモンチーのギターボーカルの橋本絵莉子やけど。」
福岡「ああ、えっちゃんね。ごめんごめん。」
橋本「今なにしてる?」
福岡「今ね、浜松で500人ぐらいとウナギ食べてる。」
橋本「超ウナギ必要やな。」
福岡「浜松の今日のウナギ、全部ここで食べてる(笑)」
橋本「私は浜名湖で釣りして、そのあと浜名湖パルパルに行って、マーメイドパラダイスに1人で乗ってるんやけど…」
福岡「ほとんどわからへん(笑) 浜名湖パルパルってなに?」
橋本「遊園地。1人だと暇やから、そっち行ってもいいかな?」
福岡「いいよ。」
橋本「すんごい飛ばして行くから、聞いてて。」
(シンセサイザーでスーパーカーが走る去る音を鳴らし、橋本さんが福岡さんの隣に移動)
福岡「おぉお~、めっちゃ低い車で来たな! エアロパーツ、バリバリのやつで来たな!」
橋本「一瞬で着いたわ。ここ、あっこちゃんの家っていう設定なんですけど。」
福岡「私の部屋どうですか?」
橋本「なんかギュッとしてる! ここしか居場所ない…」
福岡「悪口やん(笑)」
橋本「じゃあ、ちょっとラップして帰るわ。」

 橋本さんのこの言葉から、5曲目に演奏されたのは「ぜんぶカン」。福岡さんがシンセからドラムへ移動。ドラムが打ち込みではなく生演奏になり、4曲目「バースデーケーキの上を歩いて帰った」よりも生バンド感がさらに増す。

(橋本さんが、福岡さんの隣から元の位置に戻る)
橋本「あー…あっこちゃん来ないかなぁ。私の部屋に来ないかなぁ。」
福岡(シンセサイザーでヘリコプターのプロペラ音を鳴らす)
橋本「ヘリコプターで来てる…!」
福岡「今ちょっとコストコ行って、めっちゃでかいケーキ買ってきたから、持っていっていい?」
橋本「いいよ!」
福岡(シンセサイザーで、車がクラッシュしたような音を出す。)
橋本「!?…どうしたん?」
福岡「カークラッシュした(笑)」
橋本「(笑)」
福岡(シンセサイザーで、電車が走る音を鳴らし、今度は福岡さんが橋本さんの隣へ移動。)
橋本「いらっしゃい。」
福岡「お、けっこう広いやん。和室なんやね。」
橋本「和室が好きだから。やっぱ畳だよね。……畳にペンの汚れがついたときの落とし方、知ってる?」
福岡「!?…こわい、なんなん(笑) もう1回言って! こわい、今の全然予測できへん!笑」
橋本「ペンとか、ちょっとついた時の落としかた知ってる?」
福岡「知らん。どうやって、落とすの?」
橋本「歯磨き粉でこするの。」
福岡「えっ! マジで?」
(オーディエンスからも「へぇーー」の声)
福岡「意外と、えっ!ってなったけん、ちょっと悔しい(笑)」
橋本「でも、畳に歯磨き粉を出すの、めっちゃビビるやん? でも、だんだん楽しくなってくるから。」
福岡「どんだけ、汚してんねん(笑) じゃあ、えっちゃん家に掃除の話、聞きに来たについでに、フォークソングでもやるか。」

 6曲目「余談」と7曲目「CAT WALK」は、福岡さんのフォークソングでもやるか、という言葉通り、アコースティックなアレンジでの演奏。橋本さんはアコースティック・ギターを持ち、メカ要素は薄かった。それにしても、ここまで7曲のサウンドの振れ幅が広い。広いにも関わらず、違和感を感じさせずに、自分たちの音世界へオーディエンスを引き込んでいくチャットモンチーは本当に凄い。

 8曲目は「ほとんどチョコレート」。橋本さんはギターをエレキに持ち替え、福岡さんはシンセサイザーを担当。ドラムなどいくつかの楽器は、打ち込んだものを同期しているようだ。このライブの時点ではまだ発売されていなかったが、2017年4月5日発売のシングル『Magical Fiction』に収録された音源と、ほぼ同じアレンジ。「ほとんどチョコレート」後には、ちょっと長めのMC。

橋本「どうですかメカ? 大丈夫ですか?」
(オーディエンスから大きな拍手)
福岡「みんな、どんなライブするかも分からんのに、チケット買ってくれてほんまにありがとう!」
(オーディエンスから歓声と拍手)
橋本「すごい!」
福岡「すごいよな、嬉しいよな。チャットモンチーが機械を使うっていうのは、今までから考えると、まるっきり違うって思ってたでしょ? めっちゃ受験勉強なみに、勉強したっちゅうねん!笑」
橋本「すごいんだよ、あっこちゃん、本当に! 大学受かるだけある!」
(オーディエンスから拍手と笑い)
福岡「そう言われると、はずいな(笑) えっちゃんも、1週間ぐらい前に、command+A (コマンドA)覚えましたよ。覚えてる、command+A? 全部選択な。じゃあ、command+Cは何でしょう?」
橋本「シー!?……コピー!」
福岡「おぉーーー!!」
(オーディエンスから拍手と歓声)
福岡「去年までは、6人でやってたんですけど、またやったことない分野をやりたいという、私たちのいけない癖が出ましてね。今、こういう感じになってるんですが。えっちゃんと私とパソコン2台で、この音を作っているわけです。」
橋本「なにか踏んでみようか?」
福岡「じゃあ、踏んで!」
(橋本さんが足元のペダルを踏むと、宇宙空間を漂うようなスペーシーなSEが流れ始める。)
福岡「この音、えっちゃんが作ったんですけど、すごいよね、やっぱり宇宙と交信してるよね。」
(オーディエンス爆笑)
橋本「好みが出るよな。」

 引き続き、橋本さんが作ったスペーシーなSEが流れるなか、9曲目に演奏されたのは「変身」。アルバム『変身』収録のアレンジではなく、シングル『こころとあたま/いたちごっこ』収録のgroup_inouによるGLIDER MIXをもとにしたアレンジで演奏された。担当楽器は、橋本さんがエレキギター、福岡さんがドラム。このあたりから、アルバム『変身』期の2ピースに近い、ハードなサウンドになっていく。

 10曲目「8cmのピンヒール」も、サウンド的にはメカ要素の感じられない、生々しくソリッドな音。11曲目「消えない星」は、ほぼ音源通りのアレンジとサウンドで、こちらも生バンド感の強い演奏だった。「消えない星」後には、橋本さんによる短めのMC。

橋本「今日はツアーの5ヶ所目なんですよ。だんだんツアーっぽくなってきたなって感じで。ステージにいる間が、一番元気だと思う。それがなんかツアーっぽいなぁ、と思っています。今日も4年ぶりやし、九州もまわってきたんですけど、9年ぶりの場所もあって、うそー?ってなって、こうやってまた来ることができて、嬉しいなぁと思いました。みんな、ありがとう。」

 このMCの内容から、やはりツアーを回るというのは、体力的にも大変なのだなと感じた。そして、橋本さんの誠実さも伝わり、オーディエンスも少し感傷的な雰囲気へ。そんな空気のなか12曲目に演奏されたのは「majority blues」。ほぼ音源通りのアレンジによる演奏。橋本さんのMCで、それまでの空気が少し変わったこともあり、空間に染み渡るように感じられる1曲だった。「majority blues」の後にも、少し長めのMC。

橋本「なんかタンバリンの位置が変になったみたい。」
福岡「タンバリンがくっついてきた。まさかの機械ではなく、アナログが(笑)」
(福岡さんがタンバリンを調整している間、橋本さんが話して場をつなぐ。)
橋本「浜名湖パルパルって有名?……行ってないんやけど。有名じゃないん?」
(オーディエンス数名から「有名」という声)
橋本「有名? ちょっとだけ? ちょっと、有名かぁ。」
(オーディエンスの1人から「餃子食べた?」の声)
橋本「食べてません! だって、昨日深夜0時に到着して、だからそのまま寝ましたよね。直った?」
福岡「(ハーモナイザーがかかっているのか、和音になった声で)うん、直った。声が直ってなかった(笑) これ、声も特殊なやつで、声に反応して勝手にハモってくれるっていう。凄いでしょ? 文明の利器!」
(このあと、福岡さんが簡単に機材の説明をする。)

 13曲目は「Magical Fiction」。このライブの時点では、まだ発売されていない新曲。今回のツアーを通じて、グルーヴ感が増して、演奏が向上していっているのがわかる。この曲では、福岡さんがドラム、橋本さんがシンセサイザーを担当しているのだが、シンセサイザーもリズム楽器のように機能する演奏で、また新しい2ピースの可能性が感じられる。

 14曲目はメドレーのように「こころとあたま」と「湯気」を合わせた演奏。「こころとあたま」の間奏部分から、橋本さんがシンセからエレキ・ギターに楽器を替え「湯気」へ。その後、再び「こころとあたま」のアウトロ部分に戻るという構成。アレンジ的にもサウンド的にも、チャットモンチーのハードな部分が爆発する演奏だった。ただ単に過去のアレンジとサウンドをなぞるだけでなく、「こころとあたま」のイントロでは、シンセでギターにフランジャーをかけたような、ジェット気流のような音を出していて、音源とは違った方法でドライブ感を生んでいた。チャットモンチーには、こういうところのクリエイティビティにも本当に感心させられる。

 15曲目は「満月に吠えろ」。音源に近いアレンジで、以前と同じく橋本さんのダンスもあった。これで本編は終了。

 アンコールでは、まず手品のBGMのような曲が流れ始め、客電がつく。しばらくすると、マジシャン的なハットと白い手袋を身につけた橋本さんと福岡さんがステージへ。ハットから次々と今回のツアーグッズを出していく。これがグッズ紹介ということのようだ。

福岡「すごくない? こんな音も入ってるの! でもな、Sweet 80’sってタイトルやから、マジックの音ではないんやけど(笑)」
橋本「80年代ってこと?」
福岡「うん。ごめんな、なんか楽屋みたいな感じで(笑)」
橋本「でも、マジックがすごい流行ってたのって、わりとそのへんの時代じゃない?」
福岡「ハンドパワーの時代?」
橋本「ハンドパワーの時代。栗間太澄(くりまたすみ)です、って出てたころ! 90年代かな?」
福岡「知らない人は検索してみてください(笑)」
橋本「アンコール、ありがとうございます。」
福岡「アンコールしに来たのに、いきなり手品して、ごめんな(笑)」
橋本「じゃあ、私たちの尊敬するGO!GO!7188さんの瑠璃色という曲をやりたいと思います。」

 アンコール1曲目は、橋本さんからタイトルが告げられたとおり、GO!GO!7188のカバーで「瑠璃色」。橋本さんがギター、福岡さんがシンセサイザーで、ドラムは打ち込み。GO!GO!7188のオリジナル・バージョンはサビ前にテンポの切り替えもあり、勢いのある1曲だが、チャットモンチーのカバーは、それぞれの楽器が絡み合うようで、徐々にグルーヴ感が生まれていくアレンジ。もし音源化されたら、中毒性の高い、いわゆるスルメ曲のような1曲になるんじゃないかと思う。

 アンコール2曲目は「シャングリラ」。聴き慣れたバスドラのリズムが、打ち込みにより流れ始める。バックにバスドラの4つ打ちが流れるなか、福岡さんが「ほんまありがとう! ここに集まってくれた皆さんには、感謝してもしきれません。これからも、チャットモンチーのこと見守ってね!」と挨拶してから、ベースを弾き始める。その後、橋本さんのギターも入り、音源に比較的近いアレンジ。オーディエンスも今日一番と言っていいぐらいに盛り上がり、ライブが終了。

 ツアーも5本目。ライブでの機械との付き合い方もこなれてきて、演奏がどんどん向上していっているのが実感できるライブでした。本当にすごいライブバンドだ、チャットモンチー!


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017
2017年3月24日
浜松 窓枠
セットリスト

01. レディナビゲーション
02. 隣の女
03. 恋の煙
04. バースデーケーキの上を歩いて帰った
05. ぜんぶカン
06. 余談
07. CAT WALK
08. ほとんどチョコレート
09. 変身 (GLIDER MIX)
10. 8cmのピンヒール
11. 消えない星
12. majority blues
13. Magical Fiction
14. こころとあたま~湯気
15. 満月に吠えろ
アンコール
EN1. 瑠璃色 (GO!GO!7188カバー)
EN2. シャングリラ




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チャットモンチー 2017年3月20日 鹿児島Caparvo Hall

チャットモンチー
2017年3月20日
鹿児島Caparvo Hall (キャパルボ・ホール)
「チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017」

 定刻を少し過ぎると客電が落ち、今回のツアー共通のオープニングSEが流れ始める。ベースの音の上を、様々な効果音が飛び交うSEだ。しばらくすると照明がつき、チャットモンチーの2人がステージへ。ステージ上には、今回のツアータイトルにある「秘密基地」を連想させるようなオブジェや造草が飾り付けられており、その中に2人組のバンドには多すぎるぐらいの楽器や機材がセッティングされている。ステージ中央付近には2台のシンセサイザーが向かい合うように設置されており、オーディエンスから見て右側に橋本さん、左側に福岡さんが座り、ライブがスタート。

 1曲目は「レディナビゲーション」。前述のとおり、2人ともギターとベースではなく、シンセサイザーを演奏。しかも、シンセサイザー然とした、いかにも電子音らしい音色が選択されている。現代的な「バキバキ」と形容されるような音ではなく、どちらかというと「ピコピコ」と言った方がよさそうな音だ。ドラムは、シーケンサーに打ち込んだものをPCから流しているようで、こちらの音質も生音らしい音ではなく、電子音らしい音が選択されている。CDに収録されている音源とは、音の耳障りが大幅に異なるため、オーディエンスも少なからず困惑しているように感じる。曲が終わると、橋本さんが「かごんまの皆さんこんばんは、チャットモンチーでごわす! ごわす、ごわす!」と挨拶。場の空気が一気に和む。

 2曲目「隣の女」、3曲目「恋の煙」と、その後の2曲も元々のアレンジからは一変して、シンセサイザーをフューチャーしたアレンジになっている。特に「恋の煙」は、イントロの鋭いサウンドのギターを、シンセサイザーでなぞっているため、元のアレンジとの違いが特に際立っていた。

 4曲目「バースデーケーキの上を歩いて帰った」の前には、福岡さんが「ここ3日以内が誕生日の人いますか?」とオーディエンスに問いかけ、数人の手が上がる。サビのところで、その人たちに向かって拍手をしてください、という説明をしてから、演奏がスタート。「バースデーケーキの上を歩いて帰った」の後にはちょっと長めのMC。

橋本(シンセで何種類かの電話の呼び出し音を鳴らす)
福岡「もしもし、福岡です。」
橋本「(なまった感じで) もしもし、あっこちゃん?」
福岡「(笑) (橋本さんと同じくなまった感じで) えっちゃん、どしたの?」
橋本「今、なにしてる?」
福岡「薩摩剣士隼人、観てる。」
(オーディエンスから拍手と笑い)
橋本「たぎってる?…たぎってる?」
福岡「たぎってる(笑) たぎる薩摩の風が吹く! えっちゃんは今どこ?」
橋本「鹿児島水族館でね、ピラルク……ピラルク、見てる…」
福岡「なに、ピラルクって?笑」
橋本「世界最大の淡水魚…を見たあとに、ザビエル公園にいる。キャパルボのすぐ隣。」
福岡「じゃあ、来なよ! キャパルボの上の方が家やから。今、500人ぐらいと一緒にお茶してるから。」
橋本(シンセで電車の走る音を鳴らす)
橋本さんが、ステージ左側の福岡さんの隣に移動。

 5曲目は「ぜんぶカン」。この曲では、福岡さんはドラムを叩き、徐々にメカな音質とアレンジから、今までのチャットモンチーのマッシヴな要素が増えていく。「ぜんぶカン」の後には、2人が元々橋本さんのいたステージ右側へ移動。橋本さんがアコースティック・ギター、福岡さんがベースを持ち、6曲目は「余談」。打ち込みの使用も無く、2人の生演奏のみでアコースティックなアレンジでの演奏だった。7曲目の「CAT WALK」では、福岡さんがシンセサイザーへ移動。今度は打ち込みのリズムを使用している。8曲目「ほとんどチョコレート」では、橋本さんがエレキ・ギターに持ち替え、また全体の音の印象が変わっていく。「ほとんどチョコレート」の後にはMC。

福岡「どっち喋ろうかな。鹿児島の話とチャットモンチーの話、どっちがいい?」
(オーディエンスから「チャットモンチー!」の声)
福岡「えっ!? そっか、鹿児島の話は聞き飽きてるか。でも鹿児島の話、したいねんけど(笑) ちょっと鹿児島の話していい? 今回のツアー、九州のなかで一番、鹿児島を堪能したと思います。昨日、天文館通りの九州パンケーキのお店に入ったら、目の前に蜂楽饅頭(ホウラクマンジュウ)のお店があって、あとで買ってこうと思ったら、パンケーキ食べてる間に20人ぐらい並んで、だから明日にしようと思って。今日は山形屋に行きました。地方のデパート好きなんやけど、徳島にはそごうがあるんですけど、鹿児島は山形屋なんですね。で、納屋通りってところを通って帰ってきた。めっちゃ堪能したよっていう話。」
(福岡さんが話をしている間、橋本さんが「うん」「えぇ?」などと反応している)

 9曲目は「変身」。アルバム「変身」に収録されているバージョンではなく、group_inouによるGLIDER MIXをもとにした演奏。続いて、10曲目に「8cmのピンヒール」、11曲目に「消えない星」。この2曲で、ますますメカ要素を薄めていく。「消えない星」は、ほぼ音源どおりのアレンジ。12曲目は、橋本さんの「徳島から東京に出てきたころの思い出を書いた曲です。」という曲紹介から「majority blues」。こちらも、もともと2人でレコーディングされた曲ということもあり、ほぼ音源通りのアレンジで演奏された。

福岡「次にやる曲はMagical Fictionって曲なんですけど、もうすぐPVができるんで、でき上がったら絶対見てほしいです。えっちゃんが大ファンの人が出ています。」
橋本「言っちゃダメだもんね、まだ? めっちゃ言いたい(笑)」
福岡「私もめっちゃ言いたい。でも、言ったらすぐ広まるやん(笑) ヒントはねぇ…2人組。」

 以上の曲紹介から、13曲目は「Magical Fiction」。この曲は2017年4月5日発売なので、この時点では未発売。シンセの音色にメカット要素もありつつ、生楽器感のある演奏で、音源に忠実なアレンジで披露された。

 14曲目「こころとあたま」では、橋本さんがシンセを弾く。イントロでフランジャーをかけたような、ジェット機のような音で旋律を弾いているが、ここまでのツアーの公演と比べると音の運び方が大胆になっていた。さらに、この曲はメドレーになっていて、間奏部分でドラムのみになってから、橋本さんが楽器をギターに持ち替えてリフを弾き始め「湯気」へ。リズム、音色ともにメカット要素はほぼ無く、チャットがもともと得意にしていた荒々しいハードな音とアレンジ。続く15曲目に「満月に吠えろ」を披露し、本編が終了。

 アンコールでは、まずチャットモンチーの2人がマジシャンを連想させる背の高いハットと真っ白い手袋を着用してステージに登場。シンセで手品のBGM風の曲を流し、帽子から手品の体で次々と今回のツアーグッズを出していく。最後には鹿児島銘菓のかるかんも出てきて、オーディエンスが大いに沸く。物販紹介後のMC。

福岡「ちょっとこれ(かるかん)食べていい?」
橋本「えっ、ステージでかるかん食べるん!?」
福岡「めっちゃおいしい! これは元気が出るかるかんなの。GO!GO!7188のあっこさんが差し入れでくれたやつ。」
(オーディエンスから拍手)
橋本「元気が出まくるなー!」
福岡「ベース上手くなる! ベースあんまり弾いてないけどな(笑)」
橋本「アンコールの1曲目はカバーをやってるんですけど、なんとGO!GO!7188の瑠璃色って曲をやります。鹿児島でやるのめっちゃ緊張するなぁ。」
福岡「ぶっちゃけ、めっちゃ緊張してます(笑) この曲が一番緊張してます。今までミスらなかったところでミスりそう。GO!GO!7188さんにはアマチュアの時から憧れてて、今カバーするのどう?ってえっちゃんが言ってくれて。」
橋本「10代の終わりにMONSTER baSHってフェスにGO!GO!7188が出たときに、あっこちゃんと2人でお客さんとして見に行って、あまりの良さに涙を流し、そのときに瑠璃色もやってて、なんてええ曲なんやと思って、その曲を時を経て今日カバーしたいと思います!」

 以上のエモいエピソードを紹介したあとで、アンコール1曲目に演奏されたのは「瑠璃色」。橋本さんがギター、福岡さんがシンセサイザーで、ドラムは打ち込んだものを流しているようだ。GO!GO!7188のオリジナル音源では、サビでテンポが上がる、1曲のなかのダイナミズムが大きい曲だが、チャットモンチーはゆったりしたテンポで、2人のグルーヴを重視したアレンジを施していた。

 アンコール2曲目、ラストは福岡さんの「それでは最後の曲になりました。みんな来てよかったなって思う曲やるよ!」という言葉から、「シャングリラ」がスタート。橋本さんはギター、福岡さんはベース、ドラムは打ち込み。ドラム以外にも打ち込みによる電子音が足されていて、イントロが音源よりも長めだった。ギターとベース、基本のリズムは音源とほぼ変わらないため、オーディエンスも大いに盛り上がり、この日のライブが終了。

 この日の鹿児島公演で、今ツアー4本目。グルーヴがどんどん磨き込まれていくのが、実感できるライブでした。そして、2人もライブ中に何度か口にしていたけど、この日に限らずお客さんが本当に暖かい。今回のツアーは久しぶりに訪れる場所も多く、ここ鹿児島も2012年12月の変身ツアー以来4年3ヶ月ぶりのライブだったようです。(ライブ中に橋本さんご本人も「鹿児島に来るのは4年ぶりぐらい」と発言)


チャットモンチーと機械仕掛けの秘密基地ツアー2017
2017年3月20日
鹿児島Caparvo Hall
セットリスト

01. レディナビゲーション
02. 隣の女
03. 恋の煙
04. バースデーケーキの上を歩いて帰った
05. ぜんぶカン
06. 余談
07. CAT WALK
08. ほとんどチョコレート
09. 変身 (GLIDER MIX)
10. 8cmのピンヒール
11. 消えない星
12. majority blues
13. Magical Fiction
14. こころとあたま~湯気
15. 満月に吠えろ
アンコール
EN1. 瑠璃色 (GO!GO!7188カバー)
EN2. シャングリラ




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